ラジオ電波とテレビ電波の違い:周波数帯や用途の違いとは?

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私たちが毎日のように触れている「ラジオ放送」や「テレビ放送」。
一見すると同じ「電波」を使った放送のように思えますが、実は使っている周波数帯や役割は大きく異なります。
なぜラジオとテレビでは周波数が違うのか? その理由を知ることで、電波という目に見えない仕組みをより深く理解できるはずです。

この記事では、電波の基本からラジオとテレビの周波数の違い、そして用途の特徴までを分かりやすく解説します。


電波の基本とは?ラジオやテレビ電波の役割

電波とは「電磁波」の一種で、無線通信の基盤を支える存在です。
ラジオやテレビだけでなく、Wi-Fi、携帯電話、衛星通信など、私たちの生活に欠かせない技術の裏側には必ず電波が存在しています。

電波は「周波数」という振動数で分類され、低い周波数は遠くまで届きやすく、高い周波数は大量のデータを送れるという特徴を持ちます。
この性質を活かし、ラジオやテレビといった放送も、それぞれに適した周波数帯を利用しているのです。


ラジオ電波とは:周波数帯と特徴

ラジオ放送は主に「AM」と「FM」の2つに分けられ、それぞれ異なる方式・周波数を持ちます。

AMラジオ

  • 周波数帯域:530kHz ~ 1700kHz
  • 方式:振幅変調(Amplitude Modulation)
  • 特徴:波長が長く、地形や建物の影響を受けにくいため、数百キロ離れた遠距離まで届きやすい。
    その一方で音質はやや劣り、雑音が入りやすい傾向があります。

FMラジオ

  • 周波数帯域:76MHz ~ 108MHz(地域により異なる)
  • 方式:周波数変調(Frequency Modulation)
  • 特徴:音質が良く雑音に強い。音楽放送に適しており、都市部で広く利用される。
    ただし、波長が短いため障害物の影響を受けやすく、届く範囲はAMより狭い。

つまり、AMは「広範囲の情報伝達向き」、FMは「高音質な近距離放送向き」と整理できます。


テレビ電波とは:周波数帯と特徴

テレビ放送は、映像と音声を同時に届ける必要があるため、ラジオよりも高い周波数帯を利用します。主に VHF波UHF波 の2種類です。

VHF波(Very High Frequency)

  • 周波数帯域:30MHz ~ 300MHz
  • 特徴:比較的波長が長く、広範囲に安定して届きやすい。
    ただしチャンネル数が制限されやすく、多くの放送局を配置するのには不向き。

UHF波(Ultra High Frequency)

  • 周波数帯域:300MHz ~ 3GHz
  • 特徴:波長が短く、多数のチャンネルを割り当て可能。
    高画質・多チャンネル放送に対応できる反面、障害物に弱く、受信範囲はやや狭い。
    現代の地上デジタル放送は主にUHF帯を利用しています。

ラジオ電波とテレビ電波の用途の違い

ここまで見てきたように、ラジオとテレビは「用途」に応じて電波の性質を活かしています。

  • ラジオ電波:音声データのみを扱うため、比較的低周波数で広域カバーが可能。災害時の情報伝達や音楽放送に強み。
  • テレビ電波:映像+音声を扱うため、大容量データを送れる高周波数を利用。家庭や地域に高品質な映像を届けるのに適している。

なぜラジオとテレビで周波数が異なるのか?

ラジオとテレビの周波数が異なるのには、3つの明確な理由があります。

  1. データ量の違い
    ラジオは音声のみで済むため少ない帯域幅で足ります。テレビは映像データが必要なため、広い帯域を確保できる高周波を使います。
  2. 距離と障害物の影響
    AMラジオは遠距離伝送に強い一方、テレビは都市部での多チャンネル放送に対応する必要があるため、高周波のVHF・UHFを利用しています。
  3. 音質・画質とノイズ耐性
    FMラジオは雑音に強く高音質を実現。テレビも同様に、ノイズに強い高周波を使うことで高画質化を可能にしています。

ラジオ電波とテレビ電波の比較表

項目ラジオ電波テレビ電波
周波数帯AM:530kHz~1700kHz
FM:76MHz~108MHz
VHF:30MHz~300MHz
UHF:300MHz~3GHz
伝送データ音声のみ映像+音声
特徴遠距離伝送に強い(AM)
高音質な近距離放送(FM)
多チャンネル・高画質放送に対応
主な用途音楽放送、ニュース、防災情報テレビ番組、デジタル放送、映像配信

まとめ:ラジオ電波とテレビ電波を理解しよう

ラジオもテレビも、私たちに身近な「放送メディア」ですが、使われている電波の周波数や役割は大きく異なります。
ラジオは音声に特化し、遠くまで届くAMと高音質なFMという2つの方式を持ちます。
一方テレビは、映像と音声を同時に届けるためにVHFやUHFといった高周波を使い、現代では地デジ放送として高画質・多チャンネル化を実現しています。

電波の違いを理解することは、放送技術の仕組みを知るだけでなく、通信やインターネットの発展を理解する手がかりにもなるでしょう。


Mushimeganeくんのひとこと

Mushimeganeアイコン Mushimeganeくんの感想:
「ラジオとテレビ、どちらも当たり前に使っているけど、周波数や仕組みがこんなに違うなんてびっくりだね!
身近なテクノロジーを知ると、普段の生活もちょっと楽しくなるよ。」


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